生成AIを活用した、「全社員アイデア大会」を開催しました!
小林製薬では毎年創立記念日である8月22日に、全社員が通常業務から離れて新製品のアイデアを考える「全社員アイデア大会」を実施しています。
このアイデア大会は、創立100期の記念イベントとして2014年にスタートし、組織としての一体感や新製品開発の重要性を再認識する風土づくりを目的として実施しています。
当日は、所属部署ごとにアイデア会議が行われ、各人が渾身の新製品アイデアを持ち寄り各部署の代表アイデアを決定。その後、予選を勝ち抜いたアイデアのブラッシュアップを重ね、社長をはじめとする経営陣への決勝プレゼンに進みます!優れたアイデアは、製品化に向けて検討が進められます。
そして今年はChatGPTを小林製薬用に最適化した「kAIbot」が導入され、AIの力を活用したアイデア大会となりました。
そこで今回はこれまでのアイデア大会との違いや、どのようなアイデアが出てきたかをレポートします。
小林製薬向けにChatGPTを最適化した「kAIbot」が登場
まず事前準備として、ChatGPTを全社員が使えるよう最適化し、小林製薬独自の生成AI「kAIbot」を開発することからスタートしました。これは、先日お伝えしたDX方針の戦略01「あったらいいな開発のDX」とも関連するもの。DX戦略は着々と進められています。
アイデア大会当日まで
8月1日には株式会社ELYZA CMOの野口竜司氏をお招きし、事前の勉強会も実施。野口さん直々にプロンプトの書き方を教えていただきました。勉強会は、リモートとリアルのハイブリッドで開催され、全社から約500人の参加者が集まり、前例のない規模に。
また、小林製薬には会社公認・非公認のさまざまな部活動がありますが、kAIbotの活用に向け、有志による新たな「生成AI部」も誕生しました。この生成AI部には、100人を超える部員が集まり、リアル・オンラインでの情報交換が行われ、アイデア大会を前に、各社員のやる気と熱気が伝わってきました。
kAIbotの登場でアイデアがより広がっていく
小林製薬では原則全社員を対象に在宅勤務制度を導入していることもあり、アイデア大会当日は、リアルとリモートのハイブリッドで開催する部署も多数ありました。
ある部署では、生理前のPMSケアや、睡眠改善といったトレンドの商品から、海外の友人との会話や育児中の気づきといった日常から生まれたアイデアなども登場し、代表アイデアを熱心にブラッシュアップしていました。
また、社長も渾身のアイデアを携えてメンバーの一人として参加し、kAIbotの活用でアイデアがどんどんブラッシュアップされていく様子を社員と一緒に楽しむ様子が見られました。
社員のアイデアをベースにkAIbotを活用することで、「ターゲットをもっと深掘りできるようになった」「自分では思いつかなかったようなアイデアへと広がっていった」「どれだけ話しかけても嫌な顔をしないので、気を使わなくて良い」といった感想を多くの社員から聞くことができました。
小林製薬の特徴であるわかりやすい商品ネーミングに関しても「思ったより良い案が出てきたのでそのまま採用した」という声もありましたが、中にはとんでもない珍ネーミングを提案され、チームに笑いをもたらすこともあり、例年にも増して賑やかなアイデア大会となっていました。ここからどんな新しい商品が生み出されるのか、乞うご期待ください。
kAIbotは「kAIbot Plus」へ。さらなる進化を遂げていきます
そして、現在はkAIbotの進化版「kAIbot Plus」の開発も進んでいます。kAIbot Plusでは、GPT-4の活用や社内の業務知識を学習させたり、社内情報を自動で探索し、取得してくるなどの機能強化を予定しています。
現在はアイデア創出に活用していますが、今後はDX方針の「戦略01.あったらいいな開発のDX」や、「戦略03.生産性向上」における社内業務の効率化にも活用していく予定です。
このように新しい技術を導入するだけでなく、使いこなすためのアイデアを生み出し、身につけていくために社員が前のめりに取り組んでいく姿勢も小林製薬の強み。これからも「あったらいいなをカタチにする」ことに向かい、どんどん進化を続けていきます。